登山で一番大切なのは体力?山岳ガイドが語る「安全に山を楽しむためのトレーニング」
多くの登山者を見てきた山岳ガイドだからこそ語れる「登山に必要な体力」の本質。
心肺機能や持久力が求められる登山において、どのようなトレーニングが役立つのでしょうか。
今回は山岳ガイドの小市匠氏に、登山で起きるトラブルの背景や体力づくりの重要性、さらに低酸素トレーニングがもたらしたリアルな変化について伺いました。安全で楽しい登山のために、今からできる準備を深掘りします。
登山で差が出るのは心肺機能と日頃のトレーニング
Q.ガイドの立場から見て、登山でのトラブルの主な原因は何だと感じますか?
最も多いのは、やはり体力や筋力不足です。ゆっくり歩いていても足が攣ってしまったり、登りで呼吸が追いつかなくなる方は少なくありません。特に最近の夏山は暑さも厳しく、脱水症状から一気にコンディションを崩すケースもあります。普段からよく歩いている方や低山でトレーニングしている方は年齢に関係なく安定していますが、準備なしで挑戦すると途中で下山せざるを得ないこともあります。山では日々の積み重ねがそのまま結果に表れると強く感じます。

Q.トレーニングしている人とそうでない人は、どんなところで差が出ますか?
不思議なことに、お会いした瞬間に「この方は歩けるな」と感じることが多いです。実際に話を聞くと、毎日1万歩以上を速いペースで歩いていたり、週末には標高300〜400mほどの低山を継続的に登っている方が多いですね。一方、何もしていない場合は心肺機能が追いつかず、グループのペースについていくのが難しくなることがあります。私自身も山に入らない期間は10kmほど走るようにしていますが、やはり継続的に心拍数を上げる運動は大切だと実感しています。
低酸素トレーニングは登山の準備になるのか
Q.低酸素トレーニングを実際に体験して、登山への影響は感じましたか?
非常に効果を感じました。特に印象的だったのは「登山開始直後の楽さ」です。通常、最初の30分は心拍数が急激に上がり、体が慣れるまで最もきつい時間帯なのですが、トレーニング後はその重さがほとんどありませんでした。まるで体が自然に酸素を取り込んでくれるような感覚で、アイドリングなしに動き出せたんです。標高2,500m相当の環境は、日本の山に挑戦する多くの方にとって非常に実践的だとも感じました。走れる方は有酸素運動でしっかり追い込み、心肺機能を高めておくと、登山の快適さは大きく変わるはずです。体力に余裕が生まれれば、登山は「耐える時間」ではなく「楽しむ時間」になります。年齢を理由に諦める必要はありません。正しい準備をして、一歩踏み出してほしいですね。
ー体力を整えることは、単に登るためだけではなく「山を楽しむ余裕」を生み出す準備なのだと感じました。挑戦に年齢は関係ありません——その言葉が、多くの方の背中をそっと押してくれそうです。
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