HIGH ALTITUDE
MAGAZINE

汗をはじめとする新しいバイタルデータで、人間の可能性を切り拓く。
株式会社グレースイメージング 代表 中島氏にインタビュー

今回は汗に含まれる「乳酸」を計測できるウエアラブルデバイスを世界で初めて開発し、運動による「疲労」を医学データとして見える化をさせた、株式会社グレースイメージング代表の中島大輔氏に、起業したきっかけや今後の展望について語っていただきました。この度高地トレーニング専門スタジオ™として初導入し、店舗限定でトライアル展開しています。

―なぜ汗乳酸測定サービスを事業化、起業をされたのですか?
私は元々研究者ですが、2017年に汗の中の乳酸を計測できる技術の研究を始めました。その当時同技術の要素のみ存在する状態で、実際に走りながら測定できる機械はありませんでした。「乳酸」という言葉はランナーをはじめとする運動愛好家の間では当たり前の言葉ではありましたが、実際測定するとなると採血等の手技が必要であり、またその測定方法が正確なのかという疑問がありました。
そこで人のデータをリアルタイムで可視化することをまずめざし、さらに研究を社会に戻していくという考えのもと、事業化をしました。

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―医療ではなく、フィットネス、スポーツの分野ではどのように活用できると思いますか?

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弊社の汗乳酸測定サービスに興味を持ってくれる方は、マラソンでサブ4を狙う方たちが多いです。健康目的で走ることを始めたけれど、せっかくやるのであれば良い記録を出したい、自分のコンディショニングを知りたいという方たちです。
サービスを使ってみると、実際に乳酸作業閾値(以下LT)付近の速度(LT速度)が分かり、このくらいのペースで走ったほうがよいという指標が出てきます。その速度でトレーニングすると、納得のできる走りができるようになり、ランナーのマラソン記録とキレイな相関がでたりして、これは面白いなと思うと同時に、数値を可視化することで自分ごとにとらえることができ、パフォーマンス向上のモチベーションUPにつながるなと実感しています。
定期的に運動をしていればLT速度は必ず改善していくので、継続的に計測していただきたいです。

―低酸素でどのようなトレーニングを行うと、乳酸性閾値を高めることにつながるでしょうか?
まずお伝えしたいのは、低酸素環境での乳酸計測は実施可能ということがすでに実証済みということです。
パフォーマンスを向上するためには、LT速度より少し高めのスピードで走ることです。しっかりと負荷をかけることでパフォーマンスを上げることができます。逆に、試合本番前などコンディショニングを整えたいときはLT速度より少し落として走ることをおすすめします。

―グレースイメージの今後の展望や取り組みについて教えてください。
現在は乳酸測定を運動愛好家に向けてサービスを提供していますが、乳酸だけではない運動にまつわる色々なパラメーターを一元管理できるアプリを開発中です。現在は研究現場中心に展開していますが、これをスポーツ領域でも、事業開発をしていきたいと思っております。
そして、運動にまつわるデータを可視化することで行動変容をもたらし、スポーツやヘルスケア業界で貢献していきたいです。

―ありがとうございました!9月3日からハイアルチでも店舗限定のモニターが開始しました。今後がとても楽しみです!