杏林大学附属病院
岡本真由美先生への
インタビュー
「ダイエット」「脂肪除去」「脂肪吸引」・・・巷にはダイエットに関する広告が溢れています。お腹の贅肉(脂肪)を取りたい!とハイアルチに通ってくださる方もたくさんいます。そもそも「脂肪」とは何だろうか?と思っていたところ、ハイアルチと共同研究をしている杏林大学医学部の岡本真由美先生に「脂肪細胞」について取材できるチャンスが訪れました。ぜひ、お読みください!
―早速ですが、岡本先生の「研究」について教えてください。
こんにちは。岡本です。私は、京都大学大学院医学研究科の神経細胞薬理学教室出身です。杏林大学に来る前に所属していた東京大学の先端科学技術研究センターでは、「代謝医学」という分野で「脂肪細胞(脂肪)」、特に「褐色脂肪細胞(褐色脂肪)」に着目していました。
現在は杏林大学の研究室に属して、いくつかの研究を抱えていますが、「脂肪」の研究はものすごく興味深く、日々、探究しています。
―先生が着目している「褐色脂肪」とは何でしょうか?
人間には、白色脂肪と褐色脂肪という二種類の脂肪があります。一言でいうと、白色脂肪は悪い脂肪です。褐色脂肪は良い脂肪で、私たち人間は生まれた時、すなわち赤ちゃんの時にものすごく発達している脂肪なのです。それが年を重ねると共に、どんどんと減っていってしまい代謝が悪くなっていく。成人になるとほとんどなくなってしまう脂肪なのです。また、褐色脂肪は、燃焼しやすいので増えれば増えるほど良い脂肪です。
―では、「褐色脂肪」はどうすれば増えるのでしょうか?
良い質問ですね。褐色脂肪は燃えやすい脂肪なので、どうやって増やせばいいのか?と
前職のラボで研究をしていました。ハイアルチの低酸素空間も少し冷やっとしますよね? 偶然ですが、「寒冷刺激」が褐色脂肪を活性化するのではないか?と北海道の大学と共同研究していました。専門的な話は、割愛しますが、確かに寒い地域に住んでいる人間の方が「褐色脂肪」が発達していることが分かっており、私のマウスを使った実験でも、低温の方が高温と比較して活性化が見られました。
―寒い刺激が「褐色脂肪」を活性化するとありますが、日常的な食事で「褐色脂肪」の活性化を促すことはできるのでしょうか?
ええ。現在、褐色脂肪が活性化すると言われている食物は「唐辛子」です。ただ、唐辛子は食べすぎると悪い免疫系を活性化してしまうので、食べ過ぎには注意しなければなりません。実は、私は「生姜」の研究もしており、生姜の辛味成分が唐辛子のカプサイシンの構造とかなり似ているのです。ただ、唐辛子はちょっとの摂取で効果があるのですが、生姜の場合、かなりの量を食べなければなりません。ですが、唐辛子のように悪い免疫を活性化することがないので、日本人には、昔から馴染みのある生姜の方がいいのでは?と考え、「生姜」に注目しています。
―ありがとうございました!ハイアルチでの運動と適度な唐辛子と生姜を食事に取り入れて行くとダイエットにも効果がありそうですね。共同研究の結果もわかり次第、みなさまにもお知らせしますので、楽しみにしていてください。