HIGH ALTITUDE
MAGAZINE

ミトコンドリアと
アンチエイジング(前編)
学習院大学 生命学科 柳茂教授

ハイアルチは低酸素環境下で「細胞からきたえる®」をコンセプトとしています。その細胞内で重要な役割を果たすのはミトコンドリアです。ミトコンドリアは、私たちの体の中では「エネルギー発電所」のような働きを行い、糖や脂肪を原料としてエネルギーをつくっています。低酸素環境下ではミトコンドリアの働きが通常よりも活性化し、糖や脂肪を燃焼することに加えて、最近はアンチエイジングにも深く関係していることが明らかになってきています。今回は、日本ミトコンドリア学会副理事長であり、学習院大学生命学科の柳茂教授に「ミトコンドリアとアンチエイジング」についてお話しを伺いました。

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近年の研究で、肌の老化現象をはじめとする様々な老化現象のメカニズムを握ることがわかってきたミトコンドリア。元気なミトコンドリアではエネルギーをつくりながらも過剰な活性酸素の産生を抑えるシステムが備わっています。しかしながら、ミトコンドリアの質が下がると有害な活性酸素を撒き散らして老化を誘発することがわかりました。このミトコンドリアの質の低下は加齢とともに自然に起こり、老化現象として肌や体に表れています。

ミトコンドリアの質の比較

18monthのミトコンドリアは分裂し白くなり質の低下がみられる

若いうちは元気なミトコンドリアが、活性酸素を効率よく制御してくれるため、肌や体を若々しく美しく保てているのです。柳先生たちは、この活性酸素を制御するミトコンドリアの酵素(タンパク質)「マイトル」の発見に成功しています。柳先生によれば、肌や体を若々しく保つには、ミトコンドリアの質を高めることが重要だとのことです。それでは、ミトコンドリアの質をどのように高めたらよいのでしょうか?

(後編へ続く)